シューマッハの風に吹かれて(Blowin' in the Wind of Schumacher)

日本でも少しずつ認知度が高まってきたSchumacher College(シューマッハ・カレッジ)大学院。しかし、まだ日本人の参加者も少なく、日本語での情報も少ない為、その実態が掴み辛いのが現状です。 そこで、少しでもシューマッハ・カレッジ情報を国内で広め、多くの方に興味を持ってもらいたいと思って始めたブログです。

シュタイナースクール@イギリスでの講演会

シューマッハカレッジのMSc Holistic Scienceコース(修士課程)にvisiting teacherとして訪れているCraig Holdrege博士が近くのSouth Devon Steiner School(サウスデヴォン シュタイナースクール)で夜に講演をするというので、聞きに行ってきました。

この日はTotnesの街で他にも二つイベントがあり、かなり悩みましたが、去年は冒険教育機関(Outward Bound Japan)の冒険教育指導者育成コースに参加者し、そして今年は大学院に身を置くようになったことで、以前はさほど興味がなかった「教育」という分野にも最近は興味を持つようになったので、この講演に参加することにしました。

ちなみに、残り二つのイベントの一つは「The Economics of Enough」という経済系のイベントで私が正に勉強していることど真ん中だったので、かなり興味がありましたが、こちらは今後コースで十分に学ぶ内容だと思い、少し角度を変えてみました。

 

講演者(Craig Holdrege博士)


CRAIG HOLDREGE interviewed for the film 'The ...

  • 教育者でもあり、生物学者でもある。現在はニューヨークにあるThe Nature Instituteの創設者でもありディレクターを務めている。
  • 21年間シュタイナースクールの高校において生物学を教え、1990年代以降はシュタイナースクールの高校教師の教育も行っている。
  • シューマッハ・カレッジのMSc Holistic Scienceコース(修士課程)にvisiting teacherとして教鞭を執っている。

もっと、詳しい説明はこちらのサイト(英語)をご覧ください。

私が勉強しているEconomics for Transitionコースでは教えていらっしゃらないので、直接授業を受けることはありませんでしたが、昼食時に話したりしましたが、とても気さくな方でした。

 

場所(South Devon Steiner School)

シューマッハ・カレッジが置かれている地域と同じSouth DevonにあるSouth Devon Steiner Schoolで行われました。カレッジからは歩いて10~20分ぐらいでしょうか。こんな近くにシュタイナースクールがあるなんて知らなかったので、本当に驚きました。

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上写真たち:こんな感じの緑が多くて素敵な学校でした。一番下にあるGreenwood Hallという場所で講演は行われました。

 

内容

主に以下の内容が話されたと思いますが、あくまで私のリスニング能力の範囲であるということを予めご承知おきください(笑)。そして、直訳ではなく、意訳が含まれいることもご了承ください。

  • テーマは、「What is Education For?」という非常に広く、そして根本的なものでした。
  • 最近ではともすると「教育」とは、「テストや大学や仕事の準備の為」に行われるものと捉えられているように見受けられる。更に、アメリカのオバマ大統領がウェブサイトに記載した目指す教育像を見ると、これだけに止まらず、「グローバルマーケットにおける国の経済競争力を強める為」に行われるものとして記載されている。
  • しかし、果たして「教育」とはこのような「将来に向けた準備の為」に行うものなのだろうか。このような教育方法は常に「将来」に重きを置き、「現在」を軽視しすぎなのではないだろうか。準備をしている予想される「将来」は、そもそもその通りに訪れるのだろうか。ほとんどの場合は、予期せぬことが発生する為、その時にどのような判断ができるか、ということの方が大事なのではないだろうか。(なお、もし「将来」が「過去の積み重ね」の延長線上にしかないとしたら、何と人生はつまらないことだろうか。)
  • 私たちは「将来」に重きを置くのを止めて、「今ここにある現在」に重きをおき、五感全てを使って経験し、そのときに自分がどのように感じるか、自分がどのように判断するか、ということを行うべきなのではないだろうか。そして、「今ここにある現在」から学ぶ感性は、「今ここにある現在」から学んだ経験からしか磨かれない。その為、「将来」に重きを置いた経験しかなければ、それは磨かれることはない。
  • 私はシュタイナースクールの高校教師を教育する際に、「何故それを生徒に教える必要があるのか、という理由を3つ考える」ことを推奨している。国が定めたカリキュラムにあるから、と答えるという人もいるかもしれないが、「それでは残り2つは?」ということになる。のように考えていくと、生徒一人一人の顔が思い浮かんできて、「貴方はどういう人か?」ということを考えるようになる。
  • また、教師は生徒よりも優れているのではなく、教師もまた「未完成」な人間に過ぎない。その為、生徒と一緒に「今までにやったことないことを試してみよう。新たな発見があるかもしれない。」ということを行って欲しい。
  • 個人的には、「Question(質問)」と「Quest(探検)」という言葉が似ていることが非常に気に入っている。質問があるから探検しよう、という気持ちになる。だからこそ、「Questions are always future.」と言える。この気持ちを教師も忘れないでほしい。

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